予防歯科とは?
虫歯や歯周病等にかかる前に予防をすることを、予防歯科と言います。
日本の治療は「悪くなってから治す」ことが当たり前となっていて、予防歯科は健康保険制度にも取り入れられていないので、予防歯科に対する認知度はとても低いです。
しかし、ご自身の大切な歯を守るために本当に大切なことは、虫歯になる前のメンテナンスや、治療が完了した歯のメンテナンスを行うことで、「治療」ではなく「予防」をすることが重要と言えます。
歯のクリーニング(PMTC)
ご自身でどれだけ歯を綺麗にブラッシングできたと思っても、実は磨き残しがあるものです。
人によって個人差はありますが、市販の普通の歯ブラシだけで歯磨きをするだけでは、どうしても磨ききれない場所があります。例えば、歯と歯の間といった細かな場所全てを歯ブラシだけで磨ききることは、非常に難しいことと言えます。
デンタルフロスや歯間ブラシ等、補助的な便利な道具もありますが、使い方を間違えてしまうと、効果も半減してしまいます。
歯のクリーニング(PMTC)や歯磨きの指導を行っている歯科医院もありますので、まだ受けたことがない方は一度、歯科医院にご相談してみることをお勧めします。
PMTCとは
Professional…プロフェッショナル 専門家による
Mechanical…メカニカル 機械を用いた
Tooth…トゥース 歯の
Cleaning…クリーニング 清掃
のことで、資格を持ったプロの歯科衛生士による器具を使用した歯のお掃除です。
専用の器具を使い、歯本来の自然な白い歯を維持するため、通常のブラッシングでは困難な部分を含めた清掃・研磨を歯科医院で行う方法です。
ご自身では磨くことが難しい歯と歯の間や、歯と歯茎の境目、ブリッジの底のお掃除、汚れた歯の表面や茶渋やタバコのヤニによる頑固な着色汚れを除去し、虫歯や歯周病の予防にも大きな効果を発揮します。ご自身のお口の中の状態によって、1ヶ月に1度であったり、3ヶ月に1度程度PMTCを行うと、口臭を予防することもできますし、虫歯や歯茎の炎症による顎の骨の吸収(低下)を防ぐ効果も大きくなります。
治療が完了した方も、定期的にプロによるクリーニングを受けることをお勧めします。
エアフローとは?
エアフローとは、グリシンや炭酸水素ナトリウム等の粒子状の研磨剤を使用して歯や歯肉に流水噴射することで、バイオフィルムや色素沈着といった通常の歯磨きでは除去しきれない汚れを除去していくことを言います。
施述中は噴射による風圧を感じる程度で、スケーリングのような痛みを感じることはありません。ただ、お口の中は一時的に研磨剤の粒子で粉っぽく感じますが、うがいをするだけでスッキリします。
エアフローで使用している研磨剤の役割は以下の通りです。
- タバコのヤニ等が原因の頑固な色素沈着を除去することができ、通常の歯磨きでは落としきることが出来ない色素沈着も除去します。
- 細菌を呼び寄せてしまう歯面を覆うバイオフィルムを除去し、大量の細菌の塊である歯垢が沈着してしまうことも防ぎます。
通常行うPMTCとエアフローの違いとは?
通常行うPMTCは、ラバーカップと呼ばれるゴム製の器具で、歯や歯肉を傷つけることなく歯面を磨きながら、歯垢やバイオフィルや色素沈着といった汚れを除去していきます。
エアフローと、ラバーカップを使用して行うPMTCの違いは、粒子状の研磨剤は通常の研磨剤とは異なり、細菌が溜まりがちな歯周ポケット内へ簡単に侵入することができるため、細菌を分解する効力が高いと言えます。また、形成初期段階の歯石も除去することが可能なため、虫歯の要因や歯周病に大いに貢献できると言えます。
しかし、エアフローを行ったからといって、普段の歯磨きが全く必要なくなるということではありません。毎日の歯磨きをきちんと行い、定期的に歯科医院にてPMTCやエアフローといったメンテナンスを受けてください。